システム共通環境ファイル

  1. 初期起動スクリプト

    ここでは、システムのブート時からログインまでに自動的に実行される、 各ユーザに共通した初期起動スクリプトについて紹介する。 特に記述しない限り、これらはシェルスクリプト(いわゆるバッチファイル) なので、viエディタで内容を自由に閲覧、 変更できる。ただし変更すると影響が大きいので、 本当に変更する場合以外は root では開けないようにすること。 また、特に記述しない限り変更しない方が無難である。

    パス 説明 備考
    /etc/inittab カーネル起動後、最初に実行されるスクリプト 詳細は man inittab を参照のこと
    /etc/rc.d/rc.S シングルユーザ用初期化スクリプト /etc/inittab から呼ばれる。
    /etc/rc.d/rc.modules モジュール組み込み用スクリプト /etc/rc.d/rc.S から呼ばれる。 モジュールとしてメイクしたドライバのうち、 自分が使用するものについては、このファイルを変更する。
    /etc/rc.d/rc.M マルチユーザ用初期化スクリプト /etc/inittab から呼ばれる。 システムがらみのデーモンを起動したり、 以下のスクリプトを呼び出したりしている。
    18 行目の setterm により、 コンソールで一定時間キーボード入力がないと画面を真っ暗にする制御を 行っている。この機能を無効にしたければ、 この行をコメントアウトすればよい。以下同様。
    ※デーモンとは、システムに常駐してクライアントからの接続要求を待ち、 決まったサービスを提供するプログラム群の総称である。 Windows NT でサービスと呼ばれるものとほぼ同様。 本当に常駐するものと、inetd(インターネット・スーパーサーバ)から 起動されるものの二種類がある。
    /etc/rc.d/rc.inet1 ネットワーク I/F 初期化スクリプト /etc/rc.d/rc.M から呼ばれる。
    netconfig コマンドにより上書きされる
    /etc/rc.d/rc.inet2 ネットワーク・デーモン起動用スクリプト /etc/rc.d/rc.M から呼ばれる。
    /etc/rc.d/rc.local ユーザレベル初期化スクリプト /etc/rc.d/rc.M から呼ばれる。
    システム標準でないデーモンなどを起動するため、ユーザが自由に追加する。 このスクリプトを実行し終わると、login: プロンプトが表示され、 ユーザがログインできるようになる。

  2. ログイン・スクリプト

    ここでは、ユーザがログインする際に、 システムで共通に使用されるスクリプトについて記述する。

    シェル 起動起動スクリプト 備考
    /bin/bash /etc/profile ログイン時にごちゃごちゃと英語の格言が表示されるのは、 このスクリプトの最後にある fortune が犯人であるので、 じゃまであればコメントアウトする。 また、数行上の biff はメールの到着を知らせるコマンドで、 これも必要に応じて削除する。
    /bin/tcsh /etc/csh.login シェルとして tcsh(csh) を使う場合に参照される。

  3. その他の設定ファイル

    シェルスクリプトではない設定ファイルについて説明する。

    ファイル名 機能 備考
    /etc/passwd ユーザ認証用ファイル 各行は ユーザ名:パスワード:.... となっているので、 パスワードのところを削除して ユーザ名::... とすれば パスワードを聞いてこなくなる。 詳細は man 5 passwd を参照のこと。
    /etc/hosts ホスト名←→IPアドレス変換用ファイル DNS なしの環境では必須
    /etc/hosts.deny アクセス制御ファイル アクセスを許可しないホスト/ドメインのリストを記述する。 Plamo のデフォルトでは ALL : ALL となっており、 他のホストからの接続を全く許可しない設定となっている。 とりあえずはこのファイルを hosts.deny.orig とかの別の名前に リネームしてやれば接続できるようになる。 ただし、外からアクセスできる環境にマシンを設置する場合は、 このファイルはそのままにしておき、後述の hosts.allow で アクセス制御をするべきである。
    /etc/hosts.allow アクセス制御ファイル アクセスを許可するホスト/ドメインのリストを記述する。