これ以降は、実際に開発ツールとして Linux を使ってゆく際の、 諸々の設定事項などについて説明する。Linux(Unix) では、 複数のユーザが同時にログインして作業をするのが普通で、 各ユーザは自分の環境を自由にカスタマイズできる。
これ以降に出てくる設定項目は、基本的に個人の好みの問題になる。 まあ、慣れないうちはこの通りに設定しておいた方が無難かもしれない。
ログインして作業可能な画面には以下のような種類がある。
名称 | 説明 | 日本語 の表示 | 備考 |
---|---|---|---|
コンソール | マシンに直接接続した CRT でログインした場合 | 不可 | [Ctrl]+[Alt]+[Del] でリブートできるなど、 セキュリティ的には一番弱い。 インストール作業は、現状ではここからしか行えない。 |
kon | コンソールで kon コマンドを起動した状態 | 可能 | Plamo Linux はインストーラで kon を利用している。 |
kterm | X 上で kterm コマンドを起動した状態 | 可能 | 最も使い勝手がよい。 |
telnet | kterm または別の PC から telnet で接続した状態 | telnet クライアントの作りによる | Windows 95/98/NT の TELNET.EXE は機能的に低いので、 TeraTermPro をインストールして使うようにすること。 |
ブートすると、BIOS 画面になった後カーネルが起動し、 ずらずらといろいろなメッセージが表示され、 ほどなく login: プロンプトになる。 このメッセージの中には、 ハードウェアを認識した旨などの重要な情報が含まれるので、 一度確認してみるとよい。スクロールして消えてしまったメッセージは [Shift]+[PageUp], [Shift]+[PageDown] キーで表示できる。
ログインした後に起動時のメッセージを確認したい場合は dmesg コマンドを使用する。
コマンドについて知りたい場合は、man コマンドを使用する。 運が良ければ日本語に翻訳されている。 ただし、日本語が表示できない画面で日本語 man を表示すると、 当然文字化けする。
ログインしたら startx で X を起動して、 kterm のウィンドウを1つ開ける。
シェルとはユーザとカーネルのインターフェースであり、 DOS で言うところの COMMAND.COM、Windows 95/NT で言うところの Exploler.exe にあたる。 特にソフトウェア開発をする場合はシェルとずっとつきあってゆくことになる。 Unix のシェルは、基本的にはコマンドライン・インターフェースである。
以下、[Tab]はタブキー、[↑][↓]は上下矢印、[BS]はバックスペース、 [Ctrl]、[Alt]、[Tab]はそれぞれコントロールキー、オルトキー、 タブキーを押すことを意味する。
シェル上では、 コマンドとパラメータをタイプすることによりコマンドを起動する。 ここでは、タイプミスを減らし、 効率的な作業を行うためのテクニックについて紹介する。
★[Tab]キーを押すと、 入力したコマンドラインの最後のパラメータをファイル名と見なし、 入力した文字列で始まるファイル名を自動的に表示する。 これをファイル名の補完と呼ぶ。 タイプミスを減らすために、 極力この機能を使ってファイル名を指定する習慣をつけておくこと。 特に Unix では長いファイル名を日常的に使用するので、 ファイル名の補完を活用しないと仕事にならない。 |
★なお、[Tab]キーを押したときに「ピッ」と音が鳴る場合は、 候補のファイル名が複数存在すること (または該当するファイルが存在しないこと)を示している。 この場合、もう一度[Tab]を押すと、それらの候補の一覧を表示してくれる。 該当ファイルがなければ何も表示されない。 |
★また[↑][↓][Ctrl]なども、以前に入力したコマンドラインを使う 場合に使用するので、逐次説明してゆく。 |