ネットワークの分割

  1. ネットワークの分割

    ネットワークを分割した場合、個々の分割されたネットワークのことを サブネットワークと呼ぶことにします。ネットワークをサブネットに分割する場合、 1バイトのネットワーク・アドレスを2バイトまたは3バイトに拡張して、 そこまでをネットワーク・アドレスとみなすことができます。この拡張された (仮想的な)ネットワークに対して「同一ネットワークか、そうでないか」 を判断するわけです。この「何バイト目までを同一ネットワークと見なすか」 を決定するための情報は、サブネット・マスク として各計算機ごとに設定します。

  2. サブネット・マスク

    サブネット・マスクは、255.255.255.0 のように、IPアドレスと同様の表記で 表します(*1)。IPアドレスとネットマスクのビットごとのANDを取った値が、 求めるネットワーク・アドレスとなります。送信元、宛先双方のIPアドレスに 対してこの計算を行い、異なった結果が得られれば、それらは異なった ネットワーク上にあるという判断を行うことができるようになりました。

    (*1)…ネットワーク構成図を書いたりする場合には、「ネットワーク・アドレスは 1.2.3.0、サブネット・マスクは 255.255.255.0」という意味を表すのに、 「1.2.3.0/24」のように、

    ネットワーク・アドレス/取り出すべきビット数

    で表す例が増えています。

    例1)サブネット・マスクが、255.255.255.0 であるようなサブネットにおいて、ノードA(1.2.3.4)からノードB(1.2.3.5)にパケットを送信する時、宛先IPが同一サブネット上にあるかどうかという判断は、以下の方法によります。

    送信元IP宛先IP
    10進表示16進表示 10進表示16進表示
    オリジナル 1.2.3.4010203041.2.3.501020305
    サブネット・マスク 255.255.255.0FFFFFF00 255.255.255.0FFFFFF00
    ビットANDの結果 1.2.3.001020300A’ 1.2.3.001020300B’

    これにより、ネットワーク・アドレスA’とB’が等しくなるので、ノードAとノードBは同一サブネット上にあるということができます。

    例2)サブネット・マスクが、255.255.0.0 であるようなサブネットにおいて、ノードC(1.2.3.4)からノードD(1.3.5.7)にパケットを送信する時、宛先IPが同一サブネット上にあるかどうかという判断は、以下の方法によります。

    送信元IP宛先IP
    10進表示16進表示 10進表示16進表示
    オリジナル 1.2.3.4010203041.3.5.701030507
    サブネット・マスク 255.255.0.0FFFF0000 255.255.0.0FFFF0000
    ビットANDの結果 1.2.0.001020000C’ 1.3.0.001030000D’

    これにより、ネットワーク・アドレスC’とD’が異なるので、ノードCとノードDは別々のサブネット上にあるということができます。

  3. ブロードキャスト・アドレス

    上記の例1で、 ビット ANDの結果(1.2.3.0)のうち、 ビット AND を取った残りの部分(つまりホスト・アドレス部)のビットを すべて1にしたもの(1.2.3.255)を、 ブロードキャスト・アドレスと呼んでいます。 これは「該当のサブネット中のすべてのノード」を指すための 特別なアドレスです。つまり、

    宛先IPアドレスがブロードキャスト・アドレスである
    パケットは、 該当サブネット中のすべてのノードが受信する

    ことになります。 これを、「IPレベルのブロードキャスト」と呼ぶことにします。

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