設定の基礎

  1. 基本概念

    まず、ルータ内部にはテキストファイルがあると思ってください。ここに、いろいろなコマンドをバッチファイルのように羅列していきます。設定を追加する場合は行を挿入しますし、設定を無効にするにはその行を削除します。ルータのOSは、起動時(および設定の反映を行うコマンドを投入した時)にそれらのコマンドを1行ずつ解釈し、自分自身の設定を行います。

    この製品にはいろいろなモデルがありますが、(たぶん)すべて同じOSを使用していますので、設定方法も同じです。

  2. 前提

    Ciscoルータは、telnetでリモートログインして、コマンドライン・ベースで設定するのが基本です。購入時の初期設定については、ここでは言及していません。

    ここでは、以下の状況を想定しています。

  3. ログイン

    PCからリモート・ログインを行います。

    c:\>telnet ncr64edo[Enter]

    User Access Verification

    Password: ログイン・パスワード[Enter](表示されない)
    ncr64edo>enable[Enter]
    Password: 特権パスワード[Enter](表示されない)
    ncr64edo#

    入力待ち(プロンプト)の状態になりました。この状態のことを、正式には「EXECインタープリタの特権モード・コマンドレベル」というのかもしれませんが、ここでは単にプロンプトと呼ぶことにします。

  4. ヘルプの使い方

    実は、プロンプトにはいろいろな種類があって、プロンプトによりあるコマンドが使えたり使えなかったりします。現在の状態で使えるコマンドを表示するには、単に'?'をタイプします。

    ncr64edo#?
    Exec commands:
      <1-99>           Session number to resume
      clear            Reset functions
      clock            Manage the system clock
      configure        Enter configuration mode
      connect          Open a terminal connection
      copy             Copy a config file to or from a tftp server
      debug            Debugging functions (see also 'undebug')
      disable          Turn off privileged commands
      disconnect       Disconnect an existing network connection
      enable           Turn on privileged commands
      erase            Erase flash or configuration memory
      exit             Exit from the EXEC
      help             Description of the interactive help system
      lock             Lock the terminal
      login            Log in as a particular user
      logout           Exit from the EXEC
      name-connection  Name an existing network connection
      no               Disable debugging functions
      ping             Send echo messages
      ppp              Start IETF Point-to-Point Protocol (PPP)
      reload           Halt and perform a cold restart
     --More-- 
        

    「--More--」の状態では、以下のことができます。

    キー動作
    スペースキー次の1画面を表示
    [Enter]次の1行を表示
    qプロンプトに戻る

    たとえば、'show'(表示)というコマンドがありますが、

    ncr64edo#show[Enter]
    % Type "show ?" for a list of subcommands
    ncr64edo#
        
    と、引数(サブコマンド)がないと怒られます。こういった場合は、「show ?」のように、引数をタイプするべきところで'?'を入力すると、そのコマンドで入力可能な引数が表示されます。

    ncr64edo#show ?
      access-expression  List access expression
      access-lists       List access lists
      aliases            Display alias commands
      arp                ARP table
      async              Information on terminal lines used as router interfaces
      bridge             Bridge Forwarding/Filtering Database [verbose]
        (中略)
     --More-- 
        

    ヘルプ('?')コマンドは、その時点(カーソル位置)で
    入力可能なコマンドをすべて表示してくれます。

  5. 設定内容の表示

    現在の設定内容を表示するには、「show configuration」を使用します。

    ncr64edo#show configuration[Enter]
    Using 574 out of 7506 bytes
    !
    version 10.3
    no service pad
    service udp-small-servers
    service tcp-small-servers
    !
    (中略)
     --More-- 
        

    コマンド名は、省略することができます。

    ncr64edo#s[Enter]
    % Type "show ?" for a list of subcommands
        

    's'一文字でも'show'という意味になるようですね。

    ncr64edo#s c[Enter]
    % Ambiguous command:  "show c"
    ncr64edo#s co[Enter]
    % Ambiguous command:  "show co"
    ncr64edo#s con[Enter]
    % Ambiguous command:  "show con"
    ncr64edo#s conf[Enter]
    Using 574 out of 7506 bytes
    !
    version 10.3
    no service pad
    service udp-small-servers
    service tcp-small-servers
    !
    (中略)
     --More-- 
        

    これでお分かりのように、

    一意に単語が識別できる必要最小限の長さまでを
    タイプすれば、そのコマンドを解釈してくれます。