まず、ルータ内部にはテキストファイルがあると思ってください。ここに、いろいろなコマンドをバッチファイルのように羅列していきます。設定を追加する場合は行を挿入しますし、設定を無効にするにはその行を削除します。ルータのOSは、起動時(および設定の反映を行うコマンドを投入した時)にそれらのコマンドを1行ずつ解釈し、自分自身の設定を行います。
この製品にはいろいろなモデルがありますが、(たぶん)すべて同じOSを使用していますので、設定方法も同じです。
Ciscoルータは、telnetでリモートログインして、コマンドライン・ベースで設定するのが基本です。購入時の初期設定については、ここでは言及していません。
ここでは、以下の状況を想定しています。
PCからリモート・ログインを行います。
c:\>telnet ncr64edo[Enter]
User Access Verification
Password: ログイン・パスワード[Enter](表示されない)
ncr64edo>enable[Enter]
Password: 特権パスワード[Enter](表示されない)
ncr64edo#
入力待ち(プロンプト)の状態になりました。この状態のことを、正式には「EXECインタープリタの特権モード・コマンドレベル」というのかもしれませんが、ここでは単にプロンプトと呼ぶことにします。
実は、プロンプトにはいろいろな種類があって、プロンプトによりあるコマンドが使えたり使えなかったりします。現在の状態で使えるコマンドを表示するには、単に'?'をタイプします。
ncr64edo#? Exec commands: <1-99> Session number to resume clear Reset functions clock Manage the system clock configure Enter configuration mode connect Open a terminal connection copy Copy a config file to or from a tftp server debug Debugging functions (see also 'undebug') disable Turn off privileged commands disconnect Disconnect an existing network connection enable Turn on privileged commands erase Erase flash or configuration memory exit Exit from the EXEC help Description of the interactive help system lock Lock the terminal login Log in as a particular user logout Exit from the EXEC name-connection Name an existing network connection no Disable debugging functions ping Send echo messages ppp Start IETF Point-to-Point Protocol (PPP) reload Halt and perform a cold restart --More--
「--More--」の状態では、以下のことができます。
キー | 動作 |
---|---|
スペースキー | 次の1画面を表示 |
[Enter] | 次の1行を表示 |
q | プロンプトに戻る |
たとえば、'show'(表示)というコマンドがありますが、
ncr64edo#show[Enter] % Type "show ?" for a list of subcommands ncr64edo#と、引数(サブコマンド)がないと怒られます。こういった場合は、「show ?」のように、引数をタイプするべきところで'?'を入力すると、そのコマンドで入力可能な引数が表示されます。
ncr64edo#show ? access-expression List access expression access-lists List access lists aliases Display alias commands arp ARP table async Information on terminal lines used as router interfaces bridge Bridge Forwarding/Filtering Database [verbose] (中略) --More--
ヘルプ('?')コマンドは、その時点(カーソル位置)で
入力可能なコマンドをすべて表示してくれます。
現在の設定内容を表示するには、「show configuration」を使用します。
ncr64edo#show configuration[Enter] Using 574 out of 7506 bytes ! version 10.3 no service pad service udp-small-servers service tcp-small-servers ! (中略) --More--
コマンド名は、省略することができます。
ncr64edo#s[Enter] % Type "show ?" for a list of subcommands
's'一文字でも'show'という意味になるようですね。
ncr64edo#s c[Enter] % Ambiguous command: "show c" ncr64edo#s co[Enter] % Ambiguous command: "show co" ncr64edo#s con[Enter] % Ambiguous command: "show con" ncr64edo#s conf[Enter] Using 574 out of 7506 bytes ! version 10.3 no service pad service udp-small-servers service tcp-small-servers ! (中略) --More--
これでお分かりのように、
一意に単語が識別できる必要最小限の長さまでを
タイプすれば、そのコマンドを解釈してくれます。