Microsoft Outlook Express をお使いの方 or ML 初心者の方へ


2010/01/03 追記

スレッド表示をサポートしている ThunderBird や Becky! などから投稿しているにもかかわらず、スレッドを崩している方をけっこう見かけます。これらのメーラでスレッド表示モードにするにはを記載しました。

2009/11/19 追記

Gmail からメーリングリストに投稿しても、配送されない(ことがある)?

これは Gmail の仕様です。配送されないわけではなく、届いたメッセージが自分が投稿した内容と同じメール(重複メール)だと判断されるので、新着メールとはみなされません。詳細は ディスカッション > Gmail トラブルシューティング > メーリングリストに投稿した自分のメールの配信が届かない。 をご覧ください。


メーリングリスト(ML)自体について知りたい方は、メーリングリスト入門をごらんください。

Microsoft Outlook Express を使ってメーリングリスト(以下 ML)に参加されている/参加されようとしている皆さん。

このソフト自体のできはそう悪くないのかもしれませんが、デフォルトの状態(何も設定しない場合の標準設定)がインターネットの規格や実状からはずれていたりするため、ML に参加している他の方に、自分でも気づかぬうちに不快な思いをさせている場合があります。

最低限、以下の設定を行い、またここに書かれているような心構えで ML を利用していただければと思います。

ここで記述している内容は、単にデフォルトの状態がまずいから変更してくださいという提案だけではなく、インターネット上の慣習に見合うように、広く設定内容やマナーについて言及しておりますので、ご理解をお願いいたします。

このページは、Outlook Express をお使いでない ML 初心者の方にも参考になるように心がけました。ML 初心者の方は面倒がらずに一度目を通していただき、自分の ML 参加時における振る舞いを見直すきっかけになってもらえれば幸いです。

なお、自分がどんなメールソフトを使っているか意識したことがないあなた。 Windows 95/98/Me をお使いの方で、購入時についてきたメールソフト でメールをやっていらっしゃるのであれば、それこそが Outlook Express です;-)

以下、メールソフトのことを「メーラ」と呼びます。

  1. エンコードの設定は正しく

    設定

    「ツール」→「オプション」→「送信タブ」→「エンコードの設定」
    で標準のエンコードは「日本語(JIS)」にしてください。それ以外 になっていると、かならず 受信側で文字化けして読めない 方が出てきます。

    解説

    これはインターネット上の決まり事です。 携帯メールなど、インターネット標準に準拠していないメールシステムも あるにはありますが、できるだけ取り決めを守るようにすれば、 お互いにトラブル発生の可能性を最小にすることができます。

    また、他の人のまずい設定にひきずられないように、
    「ツール」→「オプション」→「送信タブ」→ 「受信したメッセージと同じ形式で返信する」
    のチェックをはずしておきましょう。

  2. HTML メールはやめよう

    設定

    「ツール」→「オプション」→「送信タブ」→「メール送信の方式」 で ”テキスト形式”を選択します。

    解説

    HTML(Hyper Text Markup Language) とは、このページのような ホームページ(正確には Web ページ)を記述するための言語です。 HTML メールを表示できないメーラが HTML 形式のメールを受け取った場合、 内容が判別できなかったり、非常に見にくくなってしまったりします。

    画像を張り込んだりリンクなどを駆使した文字通りの「Web ページ」 を知り合いの人にメールで送ったりする方は別ですが、 それ以外の方にとっての HTML メールは、 相手は読めない(かもしれない)わ サイズが大きくなって転送時間がかかるわで、 百害あって一理なしと思った方がよいでしょう。

    (2001/12/18 追加)
    さらに、最近は Windows 系の OS に関してウィルス(正確にはワーム) が蔓延していますが、デフォルトで使えるようになっている HTML メールが感染を助長しているように思えます。 ここに書いてあることが理解できなければ、 なおさら HTML メールは使わない方がよいでしょう。

  3. Reply-to: ヘッダを設定しないようにしよう

    設定

    「ツール」−「アカウント」−「メール」で使用するアカウントを選択し、 「プロパティ」の「返信アドレス」の中身を空白にしてください。

    解説

    Reply-to: ヘッダとはメールシステムで使われる制御文 (メールヘッダ)の一種で、

    「私はこのメールアドレス(From: というヘッダで 受信側に通知されます)から送信していますが、 ある特別な理由により、私 *個人* への返信は、この(Reply-to: で示される)アドレスまでお願いします。」

    という意味を持っています。

    Outlook Express では「返信アドレス」に値が設定されている場合、 送信時に自動的に Reply-to: が設定されます。 ほとんどのメーラでは、Reply-to: が設定されているメールに対して 「返信」しようとすると、宛先アドレス を Reply-to: で指定 されているアドレスにしてくれます。

    ところが ML でこの設定が行われたメーラからの投稿を行った場合、 誰かがあなた(*1)へ返信しようとしても、 そのメールは「あなた個人への直メール」になってしまい、 「すべての投稿が全メンバーに配送される」という ML の前提がくずれてしまいます。

    (*1)…

    たとえあるメールがあなたへの呼びかけや返答の形を取っていても、よほど個人的な内容でない限り、ML 上における返信メールの宛先は、あくまでも ML 向けとなるべきなのです。

    たとえば誰かが親切心である質問に答えてあげたとしても、そのメールが(質問者への)個人宛てメールになっていたら、他の購読メンバーはその質問メールへの回答がなされたことがわかりません。なので、何人もの人が同じ手間をかけて回答内容を考えるような無駄なことが起こってしまいます。

    参考までに、Outlook Express でメールヘッダを表示するには、 どれかのメールを選択した状態でマウスの右ボタンを押し、 「プロパティ」の「詳細」を選びます。

    この問題は、Outlook Express に限らず、 どのようなメーラを使う場合にも言えます。 一度ご自分のメーラの設定を確認してみてください。

  4. Message-ID を正しくしよう

    設定

    画面左下の「スタート」ボタンから、
    「設定」−「コントロールパネル」−「ネットワーク」−
    「ネットワークの設定」−「TCP/IP ->(ここはシステムにより異なる)」−
    「プロパティ」を開き、「DNS 設定」タブの「ドメイン名」を
    プロバイダから指定されたドメイン名(*2)にしておきます。

    (*2) プロバイダから与えられたご自分のメールアドレスの '@' から右側の部分。私の場合メールアドレスは hotta@net-newbie.com ですから、net-newbie.com となります。

    解説

    Message-ID もメールヘッダに含まれる制御情報の一つです。このヘッダは、 世界中のメールでユニークになるように設定することが推奨されています。 上記の設定がなされていない場合、Outlook Express はユニーク性を 保証できないような Message-ID を付加してしまうことが知られています。

  5. Subject (タイトル、題名)が見苦しくならないように

    設定

    特になし

    解説

    国内のメーリングリストでは、Subject を見るだけである程度内容や 議論の流れがわかるように、メーリングリストサーバ側で Subject を以下のようにするのが主流です。

    ユーザが入力した Subject
    XX が動きません
    ML サーバが改変した Subject
    [hoge-ml:00123] XX が動きません

    ここで、 hoge-ml は ML の名称、00123 の部分は連番で、 投稿(書き込み)があるたびに ML サーバが自動付番します。

    上記の書き込みに対して「返答(返信)」すると、 その際の Subject は送信時点では

    Re: [hoge-ml:00123] XX が動きません

    のようになりますが、これが ML サーバに届くと、配送に先だって

    [hoge-ml:00124] Re: XX が動きません

    のように整形されます。これで議論の流れをわかりやすくしています。

    ところが Outlook Express で返信する場合、 ソフトウェアの作りの問題で、

    [hoge-ml:00124] Re: [hoge-ml:00123] XX が動きません

    というようになってしまう場合があります。さらに、これに対して 返答を行うと、

    [hoge-ml:00125] Re: [hoge-ml:00124] Re: [hoge-ml:00123] XX が動きません

    というように、連番部分がどんどん伸びて、非常に見苦しくなります。

    この問題に対しては、現状では人間が対処してやる必要があります。 具体的には、ある記事に対して「返信」すると、題名の欄に

    Re: [hoge-ml:00123] XX が動きません

    が入りますので、この中の [hoge-ml:00123] の部分を手作業で 削ってやり、

    Re: XX が動きません

    にしてやります。これで ML サーバは

    [hoge-ml:00124] Re: XX が動きません

    というように整形できるようになります。

以下、特定のメーラには依存しない内容です。

Outlook とは直接関係はないのですが、 この「過去ログを有効活用する」 とか「情報をみんなで共有する」とか 「ネットワーク上で円滑なコミュニケーションを行う」 ためにやるべきことを列挙しています。まったくの私見です。

  1. 半角カナや機種依存文字は使用しない

    設定

    特になし

    解説

    下の表の中にある文字は機種依存文字と呼ばれるもので、 インターネットの世界では使えないと思ってください。 たまたま送信者と受信者のパソコン環境が同じで問題が顕在化しない こともありますが、それは単なる偶然です。

    外字一覧表1
    外字一覧表2

    より正確な情報について知りたければ、
    Windows 95で機種依存文字や「半角カナ」を入力しない方法 などを参照してください。

    とりあえずは、使わないことが一番です。 あ、メールでは「半角カナ」も使っちゃダメですよ。

  2. 返信する場合は「返信」しよう?

    設定

    特になし;-)

    解説

    特に技術系の ML では、可能な限り情報を共有し、 繰り返し行われる定番の質問メール(FAQ)を減らすため、 過去のメール(過去ログ)を Web 上などで公開している ことが多いです。
    ここで、膨大なメールの中で話の筋をたどっていくための手段 として「スレッド」という概念が使われます。スレッドが使われると

    
    [hoge 0001] XX が動かないんですけど?
    [hoge 0002] Re: XX が動かないんですけど?
    [hoge 0004] Re: XX が動かないんですけど?
    [hoge 0003] Re: XX が動かないんですけど?
    [hoge 0005] Re: XX が動かないんですけど?
    [hoge 0006] Re: XX が動かないんですけど?
    
    といった一連の書き込みが
    
    −[hoge 0001] XX が動かないんですけど?
    |−hoge 0002] Re: XX が動かないんですけど?
    | └−[hoge 0004] Re: XX が動かないんですけど?
    |−[hoge 0003] Re: XX が動かないんですけど?
    | └−[hoge 0005] Re: XX が動かないんですけど?
    |   └−[hoge 0006] Re: XX が動かないんですけど?
    
    というようにツリー表示(枝分かれ表示)されます。ね、見やすいでしょ?

    これを守るために、他のメールへ返信する場合は必ずそのメールを 選択した状態で「返信」ボタンを押して返信するようにしてください。 「新しいメール(または「メールの作成」など)」でメールすると、 上記のツリーがくずれてしまいます。

    なお、「返信」で返信すると相手先のメールアドレスも自動的に 設定されるので、入力する必要がなくなり、誤送信も防げます。

    スレッド表示モードにするには?

    せっかくスレッドという概念を知っても、それを活用する方法を知らないと効果半減です。ぜひスレッド表示機能を使ってみてください。

    ThunderBird
    メニューの「表示」→「並べ替え順序」→「スレッド」(各フォルダーごとに設定できます)
    Becky! Internet Mail
    ツールバーのスレッドボタン(スレッド表示)をクリック
  3. 新規の場合は「返信」しない;-)

    設定

    特になし;-)

    解説

    上記の場合とは逆に、新しい質問や話題を投稿する場合は「新しいメール」 で投稿するようにして下さい。たとえタイトルや中身を消しても、 メールのヘッダ部にはどのメールに対しての返信であるかという情報が 残っています。その為、メールアドレスを入力する手間を省くために 関係の無いメールに対して返信を行うと、スレッドがくずれてしまいます。 以下、0006 番目の投稿が 0005 番目の返答の形になってしまい、 スレッドがくずれている例です。

    
    −[hoge 0001] XX が動かないんですけど?
    |−hoge 0002] Re: XX が動かないんですけど?
    | └−[hoge 0004] Re: XX が動かないんですけど?
    |−[hoge 0003] Re: XX が動かないんですけど?
    | └−[hoge 0005] Re: XX が動かないんですけど?
    |   └−[hoge 0006] YYがコンパイルできません。
    |     └−[hoge 0007] YYがコンパイルできません。
    

    新規に投稿していただければ、以下のようになります。

    
    −[hoge 0001] XX が動かないんですけど?
    |−hoge 0002] Re: XX が動かないんですけど?
    | └−[hoge 0004] Re: XX が動かないんですけど?
    |−[hoge 0003] Re: XX が動かないんですけど?
    | └−[hoge 0005] Re: XX が動かないんですけど?
    −[hoge 0006] YYがコンパイルできません。
    |−[hoge 0007] YYがコンパイルできません。
    

    なお、「新しいメール」で投稿する場合、 投稿先のメールアドレスを入力する必要がありますが、 メールアドレスを手打ちするのは間違いの元なので、絶対にやめてください。 必ず前もってアドレス帳に登録し、そこから選択するようにします。 アドレス帳に登録する際は、別のメールや Web ページの記述から コピー&張り付けするようにすれば、誤入力を防げます。 一度やればすむことなので、面倒がらずにやってくださいね。

  4. 本文は全角30文字程度で改行する

    設定

    特になし;-)

    解説

    ワープロで文書を書くときなど、一般の文書作成では改行位置に 神経質になる必要はあまりありません。ソフトの方で整形して くれるからです。

    一方メール、特にメーリングリストでは、話の流れをわかりやすく するために、他の人のメールを引用することがよくあります。 その際、引用したことを明示するために、行頭に '>' などの 記号を付けることが多いようです。以下のような感じです。

    
    -----[1通目]---------------------
    私はこういう意見です。
    ....
    ------------------------------------
    
    -----[2通目]---------------------
    > 私はこういう意見です。
    > ....
    でも、私はこう思います。
    ....
    ------------------------------------
    
    -----[3通目]---------------------
    >> 私はこういう意見です。
    >> ....
    > でも、私はこう思います。
    > ....
    そうでしょうか?
    ------------------------------------
    

    たいていのメーラ(メールソフト)には、「返信」する際、 自動的に上記のように元記事の内容を引用してくれるような 機能を持っています。

    このため、メール本文は全角でだいたい30文字程度(半角なら 60〜70文字程度)で改行するのがマナーです。改行しないで 長い文をだらだらと書いてしまうと、自動引用機能を使った 時に文書がぐちゃぐちゃになって、非常に読みにくくなります。

    自動引用機能を使うのは、あなたはもちろんのこと、あなたの 書いたものを読んだ第三者の方であるということを忘れないように しましょう。常に読む側の立場になって考えることを忘れない ようにしたいものです。

  5. わかりやすい題名をつけよう。

    内容をある程度反映しているタイトルを付けるように心がけましょう。 「はじめまして」がずらりと続いたら、過去ログを調べる身としては 嬉しくないですよね。

  6. 全文引用は嫌われる

    何も考えずに無意味な全文引用をする方をよく見かけますが、 これはやめてください。 ネット上でアクティブに答えてくれるような人たちは、 一日に数百通とメールを受けていることも珍しくありません。 膨大なメールを迅速に処理している際に出くわす無意味に長い引用は、 答えようとする気持ちを萎えさせるのに十分です。

  7. お礼だけのメールは不要。

    お礼をいいたい気持ちはわかりますが、 アドバイスを受けた結果問題が解決できた場合、

    「こういう問題があったのだが、こういうアドバイスをもらってこういう作業を行ったら、最終的にこういう結果が出た」

    という報告(これをサマリー(要約) といいます)をしてください。 「とりあえずお礼だけ」のメールは、資源の無駄です。

    報告するほどのことではないが、どうしてもお礼を言いたい場合は、 ML に流さないで個人メールでやりましょう。

    また、いろんな事情でもらったアドバイスをすぐには試せない場合でも、 特に断ったり謝ったりする必要はありません。 何日かかろうが、その結果をきちんとまとめてサマリーを流せばいいのです。

  8. テストメールは御法度

    初めて ML に参加する場合、 ML 自体の仕組みがよくわからないので不安でしょうが、 テストメールを流すのは絶対にやめてください。 ゴミメールがメンバー全員に流れます。

    不安であれば、加入(できたと思った)後、 数日間はただ読むだけにすることです。 ひょっとしたら技術的に非常に困ったことがあって、 ML というものに参加することで一刻も早く解決策を知りたいという 事情があったりするのかもしれませんが、 はっきり言ってこのようなせっぱ詰まった状況で ML に初参加しても、 「質問の内容がなってない」と罵声を浴びるのがせいぜいです。 ML は情報交換の場であって、 サポートセンターではないことを肝に銘じて下さい。 どうしても緊急に解決したい問題があれば、 お金を出してコンサルタントを雇うべきでしょう。

  9. 「初心者なのですが」は書く必要なし。

    別にこんなこと書かなくても、メールの内容を見ればすぐに 初心者かどうかはわかります。別に初心者であろうがなかろうが、 質問するという行為については何も変わらないと思うんですが。 「初心者です」と書く理由がいまいちピンと来ません。

    強いて理由を考えるとすれば、「私は初心者なので、お手柔らかに お願いします。前提知識が足りないかもしれないので、手取り足取り 教えてください。」ということでしょうか。もしそうだったら 甘いです。 ML は無料のサポートセンターではありません。 みんなボランティアで、自分の仕事や自由な時間などを 削って回答してくれているということを忘れずに。

  10. 「答えは個人宛に(DMで)お願いします」は最低。

    たまに見受けられるのですが、はっきり言って思いっきり勘違い しています。 ML のメンバーは、 「あ、こういう疑問/事例もあるんだ。どうしたら解決できる だろう?」ということをメンバー間で情報を 共有するために反応しているのであって、あなた自身に 回答しているわけではありません(実際は親切な方は回答して くれているのだけれど)。回答というか問答集はみんなのため、 という認識を忘れないで欲しいですね。

    # ML に加入しないで質問メールだけ投げる人となると、 こりゃもう SPAM(*1) ですな(--;

    (*1) なにかの販促/宣伝メールやねずみ講メールなど、 一方的に送りつけられてくる、歓迎されないメールのこと。

  11. 送信前に、もう一度全文を読み直そう。

    やっぱり最後はこれにつきるでしょう。 あなたからのメールは、今まさに数千人の目にさらされるかもしれないのです。 何かミスっていれば、恥や反感も数千倍です。 書き損じのゴミメールがインターネットに与える負荷も無視できません。 自分でじっくり推敲してみると、 typo(タイプミス)以外に問題点も見えてきます。 それを他の人にもわかるように気を使いながら書き直してゆくうちに、 自己解決してしまうかもしれません。

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