ここでは、Linux の基礎知識
に書いてあることは理解できている という前提で説明する。狭義の Linux は本来カーネル部分だけを指すことが多いが、 カーネルだけでは OS として使用することはできない。 そのため、世界中のボランティアが Unix の標準コマンドを Linux に移植してパッケージと呼ばれるものを作成しているので、 これらを使用させてもらうことになる。
なお、今回は所有している Linux パッケージのうち最新版である、
を使用する。これらのパッケージは頻繁にバージョンアップするため、 パッケージとドキュメントを同期させることは一般に困難である。 どうしてもマニュアルは最新環境の後追いとなりがちなことをあらかじめ ご了承いただきたい。
一時的なものでもよいので必ず準備しておく。
LAN I/F を内蔵している場合は不要。 内蔵していない場合、インストールにする前に挿入しておく。 PCI ボードの場合はディップスイッチなどはないことが多いので、 ハード的に設定することは特にない。
また、コンボタイプの LAN ボード(複数メディアをサポートしているもの) を使用する場合、起動時にケーブルを接続しておかないと、誤ったメディア を自動選択して通信ができなくなる恐れがあるので、LAN ケーブルも 稼働中のネットワークに接続しておいたほうが良い。
SCSI 接続の HDD や CD-ROM を使用する場合で、内蔵の SCSI I/F がない場合、 PCI SCSI ボードを挿入して、ドライブとケーブルで接続しておく。 なお PCI のため、ハード的に設定することは特にない。
nfs によるインストールを行うこともできる。この場合はローカルの CD-ROM を接続する必要がなくなる。そのかわり、CD-ROM をエクスポート するための Linux マシン(nfs サーバ)が必要となる。
中継機としてインストールする場合は、Western Digital 社製の ISA SCSI ボードを挿入しておく。なおディップスイッチは以下の通りに設定する。
設定項目 | 値 | スイッチ | 設定 |
---|---|---|---|
I/Oアドレス | 308h | SW1 | Off On On Off Off Off Off On |
SCSI−ID | 0 | JP1〜JP3 | Off Off Off (Off は 1-2 ピンをショート) |
インストールに先立って、以下の設定を確認する。 わからなくなったら「Load Setup Default Settings」で工場出荷時の設定に戻し、 最初からやりなおせばよい。
選択メニュー | サブメニュー | チェック項目 | 設定値 |
---|---|---|---|
Load Setup Default Settings | なし | (工場出荷時に戻す) | |
Power Saving Configuration | Power Management Mode | Disabled | |
Non-PnP ISA Card Configuration | IRQ/DMA | IRQ 05 | YES |
DMA 7 | YES | ||
I/O Region (2画面目) | 300-30Fh | YES |
選択メニュー | チェック項目 | 設定値 |
---|---|---|
Load Setup Default Settings | なし(工場出荷時に戻す) | |
Advanced System Configurations | Plug & Play OS | No |
Power Saving Configuration | Power Management Mode | Disabled |
System Security | Boot from CD-ROM | Enabled |
Crystal Audio Chip | Disabled |
選択メニュー | チェック項目 | 設定値 |
---|---|---|
Load Setup Default Settings | なし(工場出荷時に戻す) | |
PnP/PCI System Configuration | Plug & Play OS | No |
Power Saving Configuration | Power Management Mode | Disabled |
System Security | Crystal Audio Chip | Disabled |
※内蔵音源の設定を変更して書き込んだら、 いったんマシンの電源をオフして再度オンすること。
選択メニュー | サブメニュー | チェック項目 | 設定値 |
---|---|---|---|
Load Default Settings | なし(工場出荷時に戻す) | ||
Power Management | Power Management Mode | Disabled | |
Advanced Configuration | Onboard Devices Configuration 2画面目 | Onboard Audio Chip | Disabled |
選択メニュー | サブメニュー | 項目名 | 設定値 |
---|---|---|---|
Exit Setup Utility | Load Default Settings | なし(工場出荷時に戻す) | |
Basic Configuration | Boot Options | Boot Sequence | Floppy Disk → CD-ROM → Hard Disk |
Power Management | Power Management Mode | Disabled | |
Advanced Configuration | Onboard Periferal Configuration | Onboard Audio Chip | Disabled |
選択メニュー | サブメニュー | 項目名 | 設定値 |
---|---|---|---|
Load Default Settings | Yes(工場出荷時に戻す) | ||
Onboard Periferal | Onboard Device Settings | USB Host Controller | Disabled |
Power Management | Power Management Mode | Disabled | |
Boot Options | 2nd. | IDE CD-ROM | (3rd が Hard Disk になる) |
F8 | (Advanced Options メニューが現れる) | ||
Advanced Options | PnP/PCI Options | Plug and Play OS | No |
ここでは、マシンをブートするための BOOTDISK を DOS プロンプト上で 作成する方法を紹介する。ただしこの作業が必要になるのは、 CD-ROM からブートする機能を持たない古い BIOS を搭載した機種(*1) を使う場合(以下、BOOTDISK が必要な場合と称する)のみである。 最近の機種を使用する場合はこのページは飛ばしてかまわない。
(*1)当社の場合だと、5100/DX, 5133/DX(BIOS Ver.2.0) などの CD-ROM 未搭載 マシンで、IDE/SCSI CD-ROM からインストールする場合、もしくは NFS 経由で インストールする場合などが該当する。
1.44MB でフォーマット(システムの転送なし)されている FD を1枚用意しておく。 なお、ここでは CD-ROM のドライブ名は F: とするので、各自読み替えて欲しい。
Windows 95(*1) が動作しているマシンの FD ドライブにフォーマット済みの FD を挿入し、DOS プロンプトを開いて以下のように入力する。
C:\>F: F:\>cd AT\INSTALL F:\AT\INSTALL>rawrite DESKTOP\BOOTDSK
(*1)Windows NT 上でこの作業を行うと、16 bit DMA の関係でコピーが 正常に行われないケースがあることが報告されている。
Linux で行う場合は以下のようになる。
server2:~# dd if=/cdrom/AT/Install/DESKTOP/bootdsk of=/dev/fd0 2880+0 records in 2880+0 records out
Linux をインストールしたいマシンの CD-ROM ドライブに Plamo Linux CD-ROM をセットして、マシンの電源を投入する。BOOTDISK が必要な場合は これを FDD にセットする。
電源を投入すると、メモリチェックの後画面がクリアされ、 SCSI BIOS が起動して、周辺機器のプローブ(存在確認)が 行われる。ここで HDD を認識していない場合はインストール できないので、ケーブルがきちんと刺さっているかなどを チェックする。
GRUB(ブートローダ)のメニューが表示されるので、 boot mini-Linux from this FDを選択する。 以下のプロンプトになったら、ブート完了である。
login with "root" and do "setup" to install Plamo Linux Enjoy!! plamo login:
ここで、FDが入っている場合は抜いておく。
If you want to start installation, "setup" now. You can "fdisk" your HDD from setup menu.
setup[Enter]と入力する。
「Plamo Linux のセットアップメニューへようこそ」画面が
表示される。
以下の指示に従って、上から順に実行する。
なお、応用が利かなくなるのを避けるため、
画面に表示されるメッセージにもすべて目を通し、
かつ意味を考えながら実行して欲しい(^^;。
KEYMAP を選択。
デフォルトで 106 キーが選択されているので、 そのまま[Enter]
fdiskを選択。
/dev/hda(*1) を選択。なお、ここで表示されている /dev/hdc は IDE CD-ROM の物理デバイス名である。
(*1)SCSI HDD の場合は /dev/sda になる。 以降の表記も適宜読み替えてほしい。
fdisk はコマンドライン・インターフェースを採用している。 まず m (ヘルプ)で使用できるコマンドを把握した方がよい。 実際に使用するのは、以下のコマンドである。
pコマンドで、現在のディスクの状態を表示する。
何らかのパーティションがあれば、 d コマンドでそれらをすべて数字の大きいほうから順に削除する。 なお削除対象のパーティション番号は、 デバイス名 /dev/hdaX の 'X' の数字を入力する。 p コマンドで表示されるデバイスがなくなれば OK。
※Windows など別の OS と共存させることもできるが、 ここではその方法には触れず、Linux のみでディスクを使用する ものとする。なお、他の OS を消さない場合は当然これらの パーティションも削除しない。
n コマンドでパーティションを再作成する。 ここでは、第1パーティションを 64MB のスワップパーティション、 第2パーティションを残り全部として切っている。 この第2パーティションに OS をインストールすることになる。 なお、生成するタイプはいずれも Primary Partition (DOS で言うところの「基本領域」)にしておく。
先頭シリンダ | 最終シリンダ | 備考 | |
---|---|---|---|
第1 パーティション | 1 | +64M('M'は大文字) | どうしてもディスクが足りない場合などは、 +32M とか +16M などでもよい。 |
第2 パーティション | XXX | YYY | いずれも、「最初の cylinder(XXX - YYY):」 メッセージにおける括弧内の数値 |
t コマンドで、 第1パーティションの属性を 82(Linux Swap) に変更する。
a コマンドで、第2パーティションをアクティブ・パーティション (ここからブートするという指定)に変更する。
p コマンドで設定を確認する。 なお、nnnn はディスクによって異なる。
デバイス Boot Begin Start End ブロック Id システム /dev/hda1 1 1 nn nnnnnn 82 Linux Swap /dev/hda2 * nn nn nnn nnnnnn 83 Linux Native
w コマンドで設定を書き込んで fdisk を終了する。 「Plamo Linux のセットアップメニューへようこそ」画面に戻る。