経路制御(ルーティング)その3

さて、ここで練習問題です。

  1. 設問1

    PC同士を直結した、以下のようなネットワークがあるとします。接続はハードウェア的には問題ないとします。

    ここで、以下のネットワーク設定の組み合わせのうち、実際に通信できるのはどれとどれでしょうか?

    パターンノードYノードZ
    IPネットマスクIPネットマスク
    192.168.1.1255.255.255.0192.168.1.2255.255.255.255
    192.168.1.1255.255.255.0192.168.1.2255.255.255.0
    192.168.1.1255.255.255.0192.168.1.2255.255.0.0
    192.168.1.1255.255.255.0192.168.2.2255.255.255.0
    192.168.1.1255.255.0.0192.168.2.2255.255.255.0
    192.168.1.1255.255.0.0192.168.2.2255.255.0.0

  2. 設問1の回答

    パターン通信理由
    できない ノードZのネットマスクが 255.255.255.255 となっているので、これはIPアドレスすべてがネットワーク・アドレスであると見なされます。これによりホスト・アドレス部が0ビットとなってしまうので、ネットワーク中のノードを表すことができません。
    できる ノードY、ノードZとも、IPアドレスとネットマスクのビットANDを取った結果(ネットワーク・アドレス)は 192.168.1.0 となります。これは等しいので、ノードY、ノードZは直接通信できます。

    ※これが一番普通の設定です。

    できる ノードY、ノードZのネットワーク・アドレスは、それぞれ 192.168.1.0 と 192.168.0.0 になります。これは等しくないので一見通信できないような感じがしますが、実際はできます。これは、以下の理由によります。

    • ノードYからの通信においては、ノードZは同じネットワーク・アドレス 192.168.1.0 にあると思うので、直接送信できます。

      ※ノードYから見た場合のノードZのネットワーク・アドレスは、ノードZのIPアドレスとノードYのネットマスクにより算出されることを忘れないでください。

    • ノードZからの通信においても、ノードYは同じネットワーク・アドレス 192.168.0.0 にあると思うので、直接送信できます。

    ※ただし、こういった設定は混乱の元になりますのであまりおすすめできません。
    できない ノードY、ノードZのネットワーク・アドレスは、それぞれ 192.168.1.0 と 192.168.2.0 になります。

    • ノードYから見ると、ノードZのネットワーク・アドレスは 192.168.2.0 となり、192.168.1.0 の外にあることになりますので、直接送信できません。

    • ノードZからの通信においても同様に、ノードYは別ネットワークにあるように見えるので通信できません。
    できない ノードY、ノードZのネットワーク・アドレスは、それぞれ 192.168.0.0 と 192.168.2.0 になります。
    • ノードYからの通信においては、ノードZは同じネットワーク・アドレスにあると見なされるので、直接送信できます。

    • ところが、ノードZからの通信においては、ノードYは別ネットワーク・アドレスにあると見なされるので、直接送信できません。

      この場合、ノードYから発信したパケットはノードZへ届きますが、ノードZからノードYへ返答を返すことができません。通信というものは一般的に、要求と応答というペアによって成り立つものであるので、このパターンでは通信できているとはいえません。

    できる ノードY、ノードZとも、ネットワーク・アドレスは 192.168.0.0 となり、これは等しいので直接通信できます。

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