ネットワーク管理コマンド


ここでは、ネットワーク管理に関連するコマンドを簡単にご紹介します。(Windows NT)となっているのは Windows NT のヘルプで表示されたもので、(Linux)となっているのは man で表示された内容の中の「description」項目を和訳したものです。Windows 95 の場合、一部実装されていないコマンドもあるようです。

引数やオプションについては、Linux なら man、Windows NT なら「スタート」−「ヘルプ」を参照してください。

  1. arp(ARPテーブル表示)

  2. ifconfig/ipconfig(IP構成表示)

  3. hostname(ホスト名表示)

  4. nbtstat(NBTステータス表示)

  5. netstat(ネットワーク・ステータス表示)

  6. nslookup(DNS問いあわせ)

  7. ping(疎通確認)

  8. route(ルーティング・テーブル保守)

  9. traceroute(通過経路確認)

  10. 「コンパネ」−「ネットワーク」(ネットワーク構成変更 --- Windows NT)

  11. netconfig(IP構成変更 --- Linux)


  1. arp(ARPテーブル表示)

    (Windows NT)
    アドレス解決プロトコル (ARP) で使われる IP とイーサネットまたはトークン リングとの物理アドレス変換テーブルを表示、および修正します。

    (Linux)
    ARP はカーネル内部のARPキャッシュをいろいろな方法で操作します。主なオプションは、アドレスのマッピング・エントリをクリアし、それらを手作業で設定するためのものです。デバッグ用途では、ARPキャッシュの完全なダンプを得ることができます。

  2. ifconfig(Linux)/ipconfig(Windows NT)(IP構成表示)

    (Windows NT)
    この診断コマンドは、現在の TCP/IP ネットワーク構成値をすべて表示します。特に、このコマンドを DHCP を実行するシステムで使えば、DHCP を使用して構成した TCP/IP 構成値がどれであるかを突き止めることができます。

    (Linux)
    カーネルに常駐するネットワーク・インターフェースをセットアップしたり保守したりするコマンドです。起動時にはほとんどのネットワーク・インターフェースを稼動状態に構成します。その後は、デバッグ時やシステム・チューニングを行う場合などに必要とされます。

    引数が与えられないと、 ifconfig は単に現在定義されているインターフェースの状態を表示します。インターフェース引数が1つだけ与えられると、与えられたインターフェースの状態だけを表示します。それ以外の場合、設定するべき引数であると見なされます。

  3. hostname(ホスト名表示)

    (Windows NT)
    現在のコンピュータ (ホスト) の名前を出力します。

    (Linux)
    ホスト名を設定したり、現在のシステムのホスト名やドメイン名を設定したりするコマンドです。このコマンドは、多くのネットワーク・プログラムにおいて、マシンの名前を識別するために使用されます。

    引数なしで呼ばれると、 hostname コマンドで設定された現在の名前を表示します。出力フォーマットとしては、いつでも短い名前を長い名前(FQDN)に変えることができます。引数付きで呼ばれると、ホスト名を指定された名前に変更します。この動作は、通常 /etc/rc.d/rc.inet1 スクリプトにおいて、システムの起動時に一度だけ行われます。

    スーパーユーザのみがホスト名を変更できます。

    プログラムが dnsdomainnameという名前で呼ばれた場合、DNSのドメイン名を表示します。DNSのドメイン名は dnsdomainnameでは変更できません(後述)。

  4. nbtstat(NBTステータス表示)

    (Windows NT のみ)
    この診断コマンドはプロトコルの統計情報と、NBT (TCP/IP 上の NetBIOS) を使う現在の TCP/IP 接続を表示します。

    ※NBT は、NetBIOS Over TCP/IP の略です。

  5. netstat(ネットワーク・ステータス表示)

    (Windows NT)
    プロトコルの統計情報と現在の TCP/IP ネットワーク接続を表示します。

    (Linux)
    システム上の、TCP, UDP, RAW および UNIX ソケットにおけるネットワーク接続の状態を表示します。デフォルトでは、netstat は LISTEN 状態でない(すなわち活動中のプロセスに接続されている)活動中ソケットの状態のみを表示します。カーネル・ルーティング・テーブルに関する情報を得るには -r オプションで起動します。
    (以下略)

  6. nslookup(DNS問いあわせ)

    (Windows NT)
    この診断ツールは、DNS (ドメイン ネーム システム) ネーム サーバーからの情報を表示します。このツールを使うには、DNS の働きを理解している必要があります。

    (Linux)
    インターネットのドメイン・ネーム・サーバに問いあわせを行います。このコマンドには会話モードと非会話モードがあります。会話モードでは、ユーザはネームサーバにいろいろなホストやドメインの情報を問い合わせたり、あるドメイン中のホストの一覧を表示したりすることができます。非会話モードは、あるホストまたはドメインの名前および情報だけを表示できます。

  7. ping(疎通確認)

    (Windows NT)
    リモート コンピュータ、またはコンピュータへの接続を検査します。

    (Linux)
    ICMP(Internet Contorol Message Protocol)プロトコルの ECHO_REQUEST データグラムを使って、ホストまたはゲートウェイからの ICMP ECHO_RESPONSE を要求します。 ECHO_REQUEST データグラム('pings')には、IPおよびICMPヘッダに続いて「struct timeval」があり、その後にパケットを埋めるための、特定の数の「パッド文字」があります。
    (以下略)

  8. route(ルーティング・テーブル保守)

    (Windows NT)
    ネットワーク ルーティング テーブルを取り扱います。

    (Linux)
    カーネルのIPルーティング・テーブルを操作します。ifconfig(8)プログラムで構成されたネットワーク・インターフェースを経由するホストまたはネットワークを指定するために、静的経路を設定するのが主な使い方です。このバージョンの routeはバージョン 0.99pl14n 以降のカーネルでのみ使用することを前提としています。

  9. traceroute(通過経路確認)

    (Windows NTでは tracert)
    この診断ユーティリティは、ICMP (Internet Control Message Protocol; インターネット制御メッセージ プロトコル) エコー パケットにさまざまな TTL (Time-To-Live; 有効期限) の値を載せて宛て先に送信することで、宛て先へのルートを突き止めます。パス上の各ルーターでは、パケットを送信する前に、パケット上の TTL を少なくとも 1 だけ減少させる必要があります。こうすることで、TTL は実際のホップ カウントになります。パケット上の TTL が 0 になったら、ルーターは、送信元システムに ICMP Time Exceeded メッセージを送り返すことになっています。tracert は、まず、エコー パケットに TTL 値 1 を載せて送信し、次のルーターにエコー パケットが送信されるたびに TTL を 1 だけ増分していきます。ターゲットが応答するか、最大 TTL に達するまでこれを継続します。tracert は、中間のルーターから送り返された ICMP Time Exceeded メッセージを調べてルーターを突き止めます。ルーターの中には、有効期限の切れたパケットを何の通知も出さずに送出しないものがあることに注意してください。この場合、tracert ではこの種のルーターは見えません。

    (Linux)
    インターネットは、ゲートウェイで互いに接続されたネットワーク・ハードウェアの、巨大で複雑な集合体です。あるパケットの経路を追跡する(またはパケットを破棄する悪いゲートウェイを見つける)ことは困難です。 traceroute は、IPプロトコルの「生存時間 --- Time To Live --- TTL」フィールドを利用して、あるホストへのパス上に位置する、各ゲートウェイからの ICMP TIME_EXCEEDED (生存時間超過)応答を引き出そうとします。

    省略できないただ1つの引数は、宛先のホスト名またはIP番号です。デフォルトの調査用データグラム長は38バイトですが、これは宛先ホスト名の後にパケットサイズを(バイトで)指定することにより増やすことができます。

  10. netconfig(IP構成変更 --- Linuxのみ)

    この会話的コマンドにはman ページはないようです。このコマンドは、マシンのIPアドレスやネットマスク、デフォルト・ゲートウェイなどの設定を変更します。やっていることは、各設定ファイルを書き換えているだけですが、手作業で書き換えると不整合が起こったりするので、極力このコマンドを使いましょう。